入院してた時の話
日テレつけると24時間テレビのCMとか番宣ばっかり流れる週になってきたなあ。
今日見たのは、「ガンに罹った子どもが母とした約束とは」みたいなやつだった。
実はわたくし、子どもの頃に入院していた時期がある。3歳くらいの時。病名は骨髄性再生不良性貧血。血液の病気で、血液の構成要素である血小板・赤血球・赤血球が少なくなってしまう病気。
今はなぜか(←? でも本当になぜか)完治して、そんな病気したことはあえて口に出さない限り誰も思い出さないくらい普通の生活してるけど、当時の親の気持ち考えると自分の産んだ子どもが意味不明な病気になって親元離れて入院するなんてつらかっただろうなあと思う。
でも言いたいのは、子どもがそういう病気にかかるってつらかろう可哀想だろうって事ではない。
実は当時、当の本人としては入院生活を割と全力でエンジョイしてましたって話。
たしかに具合悪かったり採血や点滴されたり薬飲まなきゃいけなかったりとかはあったんだけど。今頭の中に残ってる記憶としては、楽しかったことがほぼ全部。
小児科の病棟には友達もたくさんいたし、ナースもみんな優しかったし、自分が入院していた病院には「ピンクさん」ていう、幼稚園教諭だか保育士の資格持ってる人とかも来てくれたりしたし、おもちゃとか広いスペースのあるプレイルームもあったし、家族はなぜかおもちゃとかよく買ってきてくれるしw、笑って過ごしておりました。
「深刻な病気であること」は確かに親とか祖父母のリアクションでなんとなく理解していたようには思うんだけど、「かわいそうだなあ」と周りが思って涙流したりするほどつらい思いした記憶がまっったくない。
それはなぜかというと、
大人と違って、子どもである自分は「今してるこの生活が、他の子と比べていかに普通じゃないか」を把握する術がなかったからだと思う。
「他の子は幼稚園とか保育園に行って外で走り回ってるし、毎日お母さんと一緒に寝てるし、点滴とか薬飲んだりとかはしなくていいし、何の問題もなくすくすく育ってる」っていうのを、知らない。今自分が経験してることがすべてだし、誰かが話してくれても理解する知能もそんなになかっただろうし。
だから自分のことかわいそうだとか、なんで自分だけこんな目にあわなきゃいけないんだとか、思ったりしたことなんて一度もない。
実際、子どもってのはすごい速さで適応していくもんで、入院して1ヶ月も経つと、面会時間が終わった親に対して「じゃ〜ね〜〜〜〜」ってふざけながら見送ったり、ナースステーションに乗り込んで「きょうの夜勤だれ?」とか聞いて遊び相手探したり、柵つきのベッド使って動物園ごっこしたりしてたようです。
もちろん子どもによって病気への考え方も違うと思う。寝たきりレベルで遊びもできない子だったら、つらいことしか記憶にないかもしれないし。あと自分がもっと頭のいい子だったら、お涙ちょうだいみたいなストーリー展開にふさわしく(ちょっと悪意のある言い方だけど)、きっと「なんで他の子と違うんだろう」って思えてて、悲しんでたかもしれない。
最終的な結論、そこそこ馬鹿な子どもでよかった。
ちなみに弟がおりまして、まだ小さい頃に親が姉につきっきりで通院するのに付き合わされたり、自分も検査のため痛い思いしたり、そっちのほうがつらかったんじゃないかと思ってたんだけど、病院の食堂にあったざるそばが大好物だったらしく「おれはざるそば死ぬほど食えたからめちゃくちゃ楽しかった」って言ってたから、姉弟揃って馬鹿で幸せだなあと思いました。
おわり。